配当成長株投資とは何か:増配と再投資のチカラで資産を増やす①

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配当成長株投資のシミュレーション

こんにちは。みなとです。

前回の記事では、配当成長株投資という言葉がとこから来たのかを説明しました。今回から、配当成長株投資とは何かについて、もう少し詳しく説明していこうと思います。

なお、この内容は『配当成長株投資のすすめ』や『「年100回配当」投資術』、『A Case for Dividend Growth Strategies』などを参考に、自分なりにまとめたものです。

私の理解では、配当成長株投資の利益の源泉は2つあります。それは、①増配、②配当の再投資 です。今回は増配が生みだすリターンの大きさについて解説します。

配当成長株の利益の源泉:増配

配当成長株投資の利益の源泉。1つ目が、株式の配当が増えること、いわゆる増配です。

配当成長株投資では、市場平均よりも高い配当を持つ株に投資し、その配当額が年々増えていく=成長していくことを期待します。

配当成長株投資では、ある株式の購入時点の配当利回り(配当÷株価)以上に、将来にわたってその企業が増配できる成長力を持っているかどうかに焦点を当てます。ここが、単に配当利回りが高いだけの株式に投資する高配当投資と違うところです。

具体例を挙げて高配当投資と配当成長株投資の違いを説明します。2022年度は海運業を営む企業が絶好調で、配当利回りが5%を超え、10%以上となっている海運企業もありました。日本郵船商船三井などは、私がブログを書いている時点でそれぞれ配当利回り14.2%、15.5%と超高配当です。高配当投資であれば、これらの株に投資するのも一つの手かもしれません。

ただ、これら海運株は、2023年度は船賃が大きく下落し利益が大幅に減るという予想のもと、配当が減る=減配が避けられない状況です。減配は今回だけではありません。過去にさかのぼってみてみると、例えば日本郵船は業績(利益率)が不安定で赤字転落もありました。配当利回りは過去10年は1%~2%台をうろうろしており、減配や無配もありました。これでは継続的な増配は期待できません。

配当成長株投資では、このような一見高利回りに見えるが、利益を稼ぐ力が弱く、継続的な増配が期待できない株への投資は徹底的に避けます。そうではなく、利益を稼ぐ力が強く、配当利回りも平均的な企業よりは十分高く、それでいて継続的な増配も期待できる企業に投資をします。

継続的な増配が期待できる企業に投資すると、どのようなリターンが得られるのか。

ここで重要になってくる概念が、初期投資額に対する利回り(YOI)です。YOIとは、最初に投資した金額に対して、現在の利回りが何パーセントに当たるのかを計算した利回りです。

配当成長株投資のシミュレーション:10年後、20年後のYOI

シミュレーションをすると増配によるリターンの大きさがよくわかるので、ここでシミュレーションをしてみましょう。

2023年に投資した株の株価が1,000円、配当金が1株当たり30円、利回りが3.0%だったとしましょう。毎年、10%ずつ配当が増えていくとすると、以下の表のように配当額が加速度的に増えていきます。10年後には当初の配当額の約2.4倍の1株当たり70.7円、20年後には約6.1倍の183.5円となる計算です。

年数1年目2年目3年目4年目5年目6年目7年目8年目9年目10年目
配当金(円)303336.339.943.948.353.158.564.370.7
YOI3.0%3.3%3.6%4.0%4.4%4.8%5.3%5.8%6.4%7.1%
株価1,000円、利回り3%の株式に投資した時のYOIの変化(10年目まで)
年数11年目12年目13年目14年目15年目16年目17年目18年目19年目20年目
配当金(円)77.885.694.2103.6113.9125.3137.8151.6166.8183.5
YOI7.8%8.6%9.4%10.4%11.4%12.5%13.8%15.2%16.7%18.4%
株価1,000円、利回り3%の株式に投資した時のYOIの変化(20年目まで)

なお、各年度の配当金の計算式は以下の通りです。

$$ t年度の配当金=t-1年度の配当金×(1+g) , g = 成長率(今回は0.1)$$

当初の投資額1,000円に対して、10年後、20年後の利回りを計算すると、それぞれ7.1%18.4%となります。長く持つと非常に高利回りになりますね。20年間持てば、1年間の配当だけで、当初の投資額の2割近くのお金を回収できてしまいます。20年目までの累計の配当額は1,718円であり、配当だけで当初の投資の1.7倍以上のリターンを獲得できているんですね。

もちろんこれだけ配当がよくなれば株価も上がっているでしょうから、株の売却益(キャピタルゲイン)も大きくなっているはずです。しかし重要なのは、株価の値動きとは関係なく、配当の成長だけで大きな利益を稼ぐことができるという点です。20年後、経済危機などで仮に株価が当初よりも大きく下がっていても、配当だけで大きなリターンを得ることができるのです。

配当成長株投資では、このように配当の継続的な成長が期待できる銘柄に投資して長期で持ち続ける(バイ&ホールド)ことで、株価の変動に関係なく大きな利益を獲得できるという強みがあります。

配当成長株の例:ジャックス

「増配のリターンの大きさはわかった。でも、当初利回りが10年で7%、20年で18%まで向上する増配株なんてほとんどないのでは?」と疑問に思う人もいるでしょう。

ところが、現在の日本には、増配によって大きなリターンを投資家に還元し続けている銘柄がたくさんあります。例えば私も投資している 8584 ジャックス。ジャックスはいわゆる信販会社で、オートローンなどのクレジット事業、クレジットカードなどのカード・ペイメント事業を中心に、手堅く成長を続けている企業です。長期投資家、配当狙いの投資家に人気の銘柄のひとつですね。ジャックスは、配当額を継続的に増やしています。

IRバンクから得たデータによると、2009年4月2日の終値1,045円(株式分割調整後)でジャックスに1株だけ投資した場合、2010年3月期以降(2009年度)の配当金の推移とYOIの変化は以下の通りです。

年度2009201020112012201320142015201620172018
配当金(円)25255055707070758080
YOI2.4%2.4%4.8%5.3%6.7%6.7%6.7%7.2%7.7%7.7%
年度2019202020212022(予定)
配当金(円)95105160185
YOI9.1%10.0%15.3%17.7%
ジャックスに2009年4月2日に1,045円で投資した際のYOIの変化

当初利回りが10年後には7.7%14年後の2022年度には、なんと17.7%にまで高まっています!配当額の合計は1,145円であり、配当だけで当初の投資額を完全に回収できています。

探してみると、この手の配当成長株は結構見つかります。株価は関係なく、配当だけでかなりのリターンが期待できる。東日本大震災やブレグジット、コロナショックで市場が傾いても、ジャックスのように本業でしっかり稼いでいる企業であれば、配当は問題なく入ってきます。市場を危機が襲っても、稼いでいる企業はなかなか減配しないのです(配当の下方硬直性。そのうち解説します)。値上がり益だけを期待して投資するのと比べて、市場が荒れているときの安心感が大きく違うと思います。

配当成長株の利益の源泉のひとつが増配であることが、ご理解いただけたのではないでしょうか。

これに加えて、配当を再投資することが、リターンをさらに加速させます。そちらについてはまた別の記事で、解説します。

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