2010年~2021年まで、累計配当利回りがもっとも高い3月決算銘柄は!?ランキング形式で発表!

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みなさん、こんにちは。みなとです。

今回は、2010年~2021年までの累計配当利回りが最も高い3月決算銘柄を、ランキング形式で発表したいと思います。

なお、今回分析対象となった銘柄は、以下の条件を満たす900銘柄だけなので、ご注意ください。3月以外の決算月の銘柄や、株式分割・合併のあった銘柄は分析対象外となっています。

  • IR BANKの「配当金の推移」ページにおける「配当金の状況」表の中で、「分割調整」の記載がない
  • 2010年~2022年現在まで上場され続けている

累計配当利回りランキング

累計配当利回りとは、2010年~2021年3月末まで保有し続けた場合にもらえる配当金合計額を、2010年3月末の株価で割った利回りです。つまり、初期投資の何%の金額を配当金で回収できたかを示す数値ですね。高いほど配当金で投資回収ができており、100%をこえると配当だけで初期投資がすべて回収できたことを意味します。

過去に配当をしっかりと株主に還元してきた実績がある銘柄の一覧なわけですね。この中に現在も利回りが高く、業績堅調な銘柄があれば、投資対象になりそうです。

早速ランキングを見てみましょう。

順位証券コード企業名2010.3
株価(円)
2023.
3.17株価(円)
含み益累計
配当額(円)
累計
配当
利回り
予想
配当
利回り
14318クイック551,7153018%273.5497.3%3.73%
27270SUBARU4842,031320%886183.1%3.74%
36294オカダアイヨン1241,7231290%206.5166.5%2.21%
49960東テク2754,0351367%457166.2%3.64%
59435光通信1,51818,4901118%2479163.3%2.93%
66364北越工業1471,327803%238161.9%2.64%
75933アルインコ2381,017327%360151.3%3.93%
88850スターツ
コーポレーション
3502,513618%504144.0%3.42%
91717明豊ファシリティ
ワークス
99791699%136.5137.9%3.98%
108844コスモス
イニシア
34347839%472.8137.8%1.88%
115280ヨシコン2341,150391%310132.5%4.35%
127417南陽3822,235485%506132.5%4.25%
131723日本電技5983,485483%770128.8%4.30%
143388明治電機工業3801,182211%459120.8%4.06%
151926ライト工業2211,966790%265119.9%3.00%
161853森組48298521%57118.8%4.70%
178117中央自動車工業3532,739676%418118.4%2.77%
187467萩原電気
ホールディングス
6712,927336%779116.1%4.27%
199857英和2321,277450%269115.9%3.21%
208096兼松
エレクトロニクス
8336,170641%965115.8%1.30%
219928ミロク
情報サービス
2261,687646%257113.7%2.67%
227523アールビバン280617120%315112.5%4.86%
231878大東建託4,51012,870185%5030111.5%3.99%
249986蔵王産業5272,273331%571108.3%4.40%
256258平田機工5296,4801125%565106.8%1.31%
268707岩井コスモ
ホールディングス
5881,328126%627106.6%0.00%
273857ラック197700255%209106.1%3.71%
281959九電工5613,350497%585104.3%2.99%
293817SRA
ホールディングス
8462,937247%870102.8%4.43%
305388クニミネ工業265863226%272.5102.8%4.63%
累計配当利回りランキング

ランキング30位までの銘柄すべてが、配当だけで初期投資を回収できています。値上がり益もすごいことになっていて、現在の株価が当初の5倍、10倍の銘柄がたくさんあります。過去に配当狙いでこれらの銘柄に投資した投資家は、値上がり益も獲得できていたようです。

ランキングの中から、投資候補となりそうな注目銘柄をいくつかピックアップしてみます。

1位はクイック人材紹介サービスの企業で、看護師や建設関連といった特定職種の人材紹介を得意とする企業です。株価は当初の30倍と、とんでもなく上昇してますね。累計配当利回りは驚異の500%超、すなわち配当だけで初期投資の5倍以上の金額を回収できているということです。現在の予想配当利回りも3.7%となかなかの高配当でうま味がありますね。営業利益率は5年平均は12.8%、営業利益成長率は10.9%と高収益で順調に成長している点も魅力です。これから少子高齢化で人手不足がさらに深刻化していくと予想される中で、人材紹介サービスという業界はまだまだ伸びが期待できそう。私も投資を考えて、以前から監視中の銘柄です。

13位の日本電技も注目銘柄です。今回の分析で初めて知った会社なのですが、この会社ってオフィスビルの空調設計や工場の生産設備制御・自動化などを行っている企業で、「計装技術」に強みを持つ企業のようです。計装ってなんやねん?と思いますが、日本電技によると、「建物の設備を自動でコントロールし、快適化・効率化・省力化・省エネ化を実現する技術」だとか。最近は自動化と効率化・省エネは働き方改革やSDGsの観点から求められているところですし、時流に乗ったビジネスをやっている感じですね。現在の予想配当利回りは4.3%と高配当!営業利益率は5年平均は12.4%、営業利益成長率は7.0%とこの会社も高収益で順調に成長しています。上記設備の定期的なメンテナンスもしている会社なので、ストック収益があり業績に安定感がありそうなのもよいですね。配当政策を最近変更し、累進配当・DOE(株主資本配当率)4%を目安に株主還元するということで、株主還元に積極的な点も評価できます。

15位のライト工業も投資するには良い銘柄だと思います。私の保有銘柄でもあるのですが、土木系の企業で地盤改良や法面整形・補修などに強みを持つ企業です。研究開発にも積極的なようで、省力化・非熟練工でも工事を可能にするような新しい技術を次々と生み出しています。国土強靭化でこれからも土木は伸びていきそうですし、近年の気候変動の影響で洪水や土砂崩れが増えていることから、地盤改良や法面整備はますます需要が増えそう。営業利益率は5年平均で10.1%、営業利益成長率は5年平均は6.2%ですがここ3年の平均は10.9%。なかなかの高収益でしっかり利益成長もしています。予想配当利回りも3.0%と及第点で、自社株買いもたびたびしており株主還元も積極的です。株価が落ちてきたら拾いたい銘柄ですね。

ランキング上位だとSUBARUやアルインコなんかが現在も利回りが高くて魅力がありますが、これらは業績面でちょっと不安がある。そのほかの銘柄も、現在の配当利回りが高配当とは言い難かったり、業績面に問題があったりします。

ただ、私もすべての銘柄を精査したわけではないので、掘り出し物が眠っているかも。もし「この銘柄、投資対象として魅力的だよ!」というものがあれば、コメントやTwitterのリプライで教えてください。

Rを使った株価データ分析のススメ

以上の分析は、IR BANK株探から、Rのwebスクレイピングで取得したデータを用いたものです。webスクレイピングとはweb上のデータを自動で取ってくる技術なのですが、実際にやってみるとそんなに難しくないです。Rも慣れればサクサクと分析できて楽しいです。Excelより自動化できる部分が多いので、分析は圧倒的に楽になりますね。

個人投資家でExcelを使っている人は、Rに手を出してみてもいいのではないでしょうか。Rだと、いろいろ便利な開発環境のRStudioを使うのがおススメです。そのクラウド版のPosit Cloudも便利です。

Rを勉強したい方は、Rの入門書『R言語ではじめるプログラミングとデータ分析』が参考になると思うので、プログラミング言語初心者という方はぜひ手に取ってみてください。

より専門的な書籍である『改訂2版 RユーザのためのRStudio[実践]入門〜tidyverseによるモダンな分析フローの世界』も、RStudioを使ってデータ分析を行い、webスクレイピングもやってみたい場合はおススメです。

株価データや財務諸表データをRを使って本格的に分析したいという場合は、『実証会計・ファイナンス: Rによる財務・株式データの分析』がおススメです。レベルは高いですが、会計・ファイナンスの基礎から大学院レベルまで、Rでのデータ分析の仕方を学びながら実践的に勉強できます。私はこの本で勉強した内容を使って、株価・財務諸表データの分析をしています。

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